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統合失調症・デイケアについて

デイケアは社会復帰のワンステップです。退院して、家に閉じこもりがちの患者さんにとって外に出て人に会うだけでも良い効果を与えます。統合失調症・デイケアについて紹介していきます。

デイケアについて

デイケア
デイケアとは、医療と社会との間にあって、患者さんがグループ活動に参加しながら、徐々に社会復帰への足慣らしができる場のことをいいます。このデイケアを行っているのは、病院、診療所(精神科クリニック)、精神保健福祉センター、保健所などです。それぞれの機関によって、サービスの曜日や時間帯、プログラムなどさまざまなので、希望に合っているかどうかを調べてみるといいでしょう。しかし、その前にまず、患者さん本人に「デイケアに通う」という気持ちがあるかが大切です。病院を退院する時よく、病院のスタッフからデイケアの利用をすすめられます。せっかく退院しても、家だけの生活では毎日のリズムがだんだん不規則になってしまい、回復を遅らせることがある為です。家族にとっても、患者さんが家でゴロゴロしている様子を見ると心配になります。そこで、本人が納得しないまま、家族とスタッフだけで話を進めてしまうことがよくあります。しかし、これは本人の気持ちを確かめる必要があります。「すぐには決められない」 「意欲がわかない」といった答えが返ってくるかもしれません。やる気が起きなくて、一番困っているのは本人です。「人とうまくやっていける自信がない」というのが本音かもしれません。こういう時、周囲が強くすすめると、ストレスがたまってしまいます。結論を急がず、一緒にゆっくり考えてみましょう。デイケアとは、どんなところか、見学してみるのもいいと思います。

デイケアは格好のリハビリテーションの場

人との触れ合い
デイケアは、昼間、自宅から通うことになります。病院以外に「出かけて行ける場所」があるというのは、患者さんにとっては重要なことです。退院をして、いきなり仕事につくのは無理がありますし、地域社会に馴染めないという人は多いです。外出するのは病院と家との往復だけ、家族以外の人と話す機会もないとなると、ますます閉じこもるようになって、社会性や活動性はさらに低くなります。このような人にとって、デイケアは格好のリハビリテーションの場です。デイケアが徐々に「自分の居場所」になり、生活の一部になっていけば、回復は近いでしょう。デイケアの大切な要素に、人との触れ合いがあります。グループの中で自分の意思を伝えたり、話し合ったりできますし、仲間とともに悩んだり楽しんだりする経験から、患者さんは対人関係を自然に学んでいけます。毎日ではなくても、少しずつ規則的な生活が身についていき、人と会い、グループ活動をしたり、体を動かしたり、作業をしていくうちに、気持ちがだんだん外の世界に向いていき、次のステップに移りやすくなります。

●プログラム

スポーツ、レクリエーション、話し合い、料理、手芸、園芸、陶芸、創作、生活技能訓練(SST)、季節の行事などがありますが、全プログラムをこなさなければならないわけではありません。自分が楽しくできることから始めます。病院でのデイケアは、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士などがチームを組んで行っています。

●場所

病院、診療所(精神科クリニック)、精神保健福祉センター、保健所で行われています。通うのにかかる時間、自宅から歩いていけるのか、自転車か電車かバスか、といったことも、場所を選ぶときの大切な要素です。患者さんの状態にもよりますが、交通機関を使うことも、1つのリハビリテーションになります。

利用時間

病院で行われているデイケアは、だいたい1日6時間、過3~6日程度です。保健所のデイケアとくらべると、回数が多くなっています。朝は寝て過ごす人には、午後だけのところを選ぶのもいいでしょう。

●規模

大規模デイケア(1日50~70人)と、小規模デイケア(1日30人以内)があります。規模によって、医療費の点数が変わります。

●費用

保健所では無料ですが、その他の施設では医療費の個人負担があります。自己負担は、たとえば国民健康保険の本人・家族の場合は3割ですが、精神科通院医療費公費負担制度を利用すると0・5割になります。

●利用期限

施設によって異なります。特に期限を設けないところも増えています。デイケアを必要とする期間は、人によって違ってきます。半年か1年ごとに、本人の希望や利用目的などを話し合いながら、継続するかどうか決めていきます。