統合失調症・生活技能訓練(SST退院プログラム)

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統合失調症・生活技能訓練(SSTプログラム)について

生活技能訓練(SSTプログラム)は、患者さんがまだ退院前から行われることの多いリハビリテーションで、デイケアでも中心となるプログラムの1つです。統合失調症・生活技能訓練(SSTプログラム)について紹介していきます。

生活技能訓練(SST)について

生活技能訓練は、SSTと呼ばれます。リハビリテーションの専門用語ですが、スタッフとの会話などで使われることの多い言葉なので、知っておくといいでしょう。SSTは、患者さんがまだ退院前から行われることの多いリハビリテーションで、デイケアでも中心となるプログラムの1つです。退院後の社会生活の中で、患者さんがとまどったり困ったりすることの多い場面を具体的に想定して、解決するための技能を練習していくリハビリです。SSTは患者さんの生活支援のために行いますが、ベースには、社会や環境から受けるストレスをやわらげる方法を患者さん自身に会得してもらうという考えがあります。ストレスに負けない方法を身につけることは、脳機能の障害を克服し、統合失調症の回復を目指すうえでも重要だからです。

退院後の身近な対人関係を想定した訓練

SST・質問するSSTを始める時は、スタッフが患者さん一人ひとりと、どんなことを練習していくか、話し合いながら決めていきます。統合失調症の患者さんが、最も解決したいと望んでいるのは、対人関係ということが多いため、人との付き合い方や、ふるまい方などが多くなります。方法としては、まず、なるべく具体的な場面を想定します。そのとき、どんな話し方、ふるまいをするかを、一緒に参加しているメンバー同士でモデルになってみて、コミュニケーションを交わし、評価し合って、練習していきます。テーマは、「難しい仕事のやりとりができるようになる」といった困難なテーマではなく、退院後の身近な対人関係を想定したような、小さなことでも患者さんにとっては困っていることがいいでしょう。たとえば次のような場面です。

●遅刻しそうになって会社に電話を入れるときは、どのように伝えるか。
●仕事でわからないことがある場合、人にどうやって質問するか。
●薬の副作用について医師に質問するとき、自分の症状を伝えたり、注意事項をしっかりと聞くにはどうするか。
●母親に、体がだるくて家事が手伝えないことを、どのように言ったらいいか。
●友だちを映画に誘うには、どのように言えばいいか。

今は、上手にできなくても工夫すればできるようになるであろう、身近な目標が適しています。また、「近所の人と会ったらあいさつをする」とか、「借金を申し込まれたときはきちんと断る」といった、社会人としてポイントとなる、大切なやりとりも練習していきます。患者さんにとって、退院後の社会生活を営むうえで、近所づきあいやお金のトラブルは、たいへん多いものの1つだからです。

退院後に必要な基本的な技術も練習も

SST・家事SSTで練習するのは、対人関係だけではありません。退院したらすぐ必要になる、毎日の基本的な技術も練習します。体や服装を清潔に保つ、お金を自分で管理する、買い物をする、料理や掃除、洗濯をする、日中の時間を上手に使う、といったことのすべてが、練習の対象になります。このような件業は、生活のほんの一部ですが、どれか1つ欠けても、生活が困難になります。退院後の社会復帰のためには、ぜひ身につけておきたい技術です。しかし、それだけではありません。日常の作業は、絶好の脳を使う練習になります。統合失調症になると、服の着がえや料理など、一連の流れのある作業を順序立てて行うのが苦手になります。それは、情報を伝える神経伝達物質がアンバランスになってしまい、脳の中の各部分のつながりが悪くなっている為です。そこでまず、薬によって、神経伝達物質のアンバランスを調節し、その上で、脳の神経細胞がつながり合うようにします。それには、日常生活の作業が理想的です。日常の作業は、脳のさまざまな部分をほどよく使います。その時、脳の神経細胞は互いに連絡をとり合います。つまり、作業をすること事体が、脳のリハビリテーションにつながります。SSTにおける対人関係の練習は、脳の中では複雑な情報のやりとりがあるので、難しいところがあります。それがストレスにもなりやすいですが、日常的な作業、中でも洗濯や掃除などは体も使うので、脳の働きもバランスがとれていきます。気軽に楽しみながらやってみるといいでしょう。

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