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統合失調症の経過について

統合失調症には、すべての患者さんに共通する症状も、病気を示す特有の物質もありません。なので診断は医師の面接によって行われます。統合失調症の診断について紹介していきます。

医師による面接で診断

医師による面接で診断
病気を診断する際、その病気に特有を測定・検査して判断するのが普通です。しかし統合失調症の診断には、これがあてはまりません。統合失調症には、特有の症状がなく、また、すべての統合失調症患者に共通の症状もありません。心理的検査や医学的検査もなく、時点では、脳画像診断も適切な方法とはいえません。そのため、統合失調症の診断法としては、病気を患っている人に医師が何回か面接し、密な情報を集めて判断するのが最も精密で信頼度も高くなっています。正しい診断をするためには、その人のこれまでの経過(発症する前、発症の前後、発症してから現在に至るまで)を、できる限り詳しく正確に知る必要があります。ただ、経験を積んだ精神科医なら、大体の場合、診断はそんなに難しいものではありません。患者さんのちょっとした所作や妄想の断片で、瞬時に統合失調症とわかることもあります。妄想などは大体バリエーションが決まっていて、臨床経験で判断できるます。稀に、現在の精神医学では正しい診断が無理なケースがあります。こういった状態の患者さんは、いろいろな薬や治療法を試みて、結果を観察しながら、その人に最も合った薬や治療法を見つけ出す、という方法をとります。

診断には正確な情報が必要

統合失調症の診断には家族の協力が必要不可欠です。陽性症状で、興奮状態の時などは、患者さんは自分についての情報を伝えられるような状態にありません。それに、発症前からの経過を客観的にみることができるのはいつも側にいる家族です。発症前、発症前後、受診するまでの推移など、できるだけ詳しく、正確に医師に伝えるようにしましょう。また、情報は初診の時だけでなく、治療が始まってからも重要になってきます。
薬を飲んでいる時と飲んでいない時とで、症状や生活能力にどんな違いが起こるか。
どんな治療法や薬がいちばん効果があったか。
薬へのアレルギー反応や、その他の副作用があったかどうか。
こういったことは、治療の方針を決める上で重要な情報になります。患者さんの状態を医師に伝えるときは、なるべくメモなどに書き記して渡すようにするとよいでしょう。